経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。
弊社は決算書や毎月の試算表を見るのが苦手な経営者に対して、決算書や試算表の見るべきポイントを分かりやすく解説し、いま起こっている財務・会計上の課題を的確に抽出するとともに、経営者が描く「将来の目標」「未来のありたい姿」から逆算しながら経営計画を一緒に作成するサポートを行っております。
お客様に寄り添いながら、お客様目線に立って会社の発展を支援する財務コンサルティング会社です。
今回は、お客様へのインタビューを通じて、経営計画作りの効果や弊社の財務コンサルティングの特徴をお伝えいたします。
インタビューに応じてくださったのは「株式会社田畑製作所」代表、田畑 郁 さん。
2023年現在、今でこそ事業拡大を展望に掲げられておりますが、父親から会社を継いだ当初は「目先のやることに手一杯で、自転車操業の経営に将来が見えなかった。」とのことです。
事業は祖父の代から続く建設業。事業継承は突然のことだった
弊社代表 田中(以下、田中):まずは田畑様の事業についてお伺いしてもよろしいでしょうか?
田畑さん(以下、田畑):田畑製作所では空調や給排水衛生など、設備工事管理を営んでいます。
関東一帯のビルや学校に向けて、エアコンの換気工事、トイレやプールの水回り工事など、幅広く展開しています。
昭和2年創業時には祖父が鉄鋼業としてスタートしたため、現在でも会社の名前に「製作所」と残っているんですよ。
その後、私の父が「これからは空調の時代が来る!」と察して、現在生業としている事業へと転換しました。
時代に合わせて事業を変えて現在に至っています。
田中:3代も長く経営続けられているということは、事業継承も順調だったのでしょうか?
田畑:実はそうとも限らなくて・・・・・・。私が引き継ぐきっかけとなったのは、父の急逝でした。
田中:田畑様が経営をお父様から引き継いだタイミングは、突然だったということでしょうか?
田畑:そうですね。元々建設業の会社でサラリーマンとしては働いていたので、社長業の経験は一切ありませんでした。
当時はいきなり経営の現場に放り出された感覚でしたね。
ただ、受け継いだ当時は28歳でしたが、辞める選択肢だけはありませんでした。
当時働いていた従業員や、その家族を路頭に迷わせるわけにはいきませんし、多額の借入金もあった状態でしたので、「私がやらなければ!」という使命感を持って社長業を始めることにしました。
経営計画を立てる前の自転車操業時代。建設業を任されたものの「財務」「経営」がわからない
田中:大変な状況の中での事業継承だったのですね。
いきなり社長業を引き継いでみていかがでしたでしょうか?
田畑:そもそも自分の会社が儲かっているのか、儲かっていないのか把握できない状態から始まりました。
目の前の出来事に必死に対処することで精一杯。
来る仕事をこなし、お金が無くなったらとにかく借りるという状況で、経理もどんぶり勘定でしたね。
加えて、経営の悩みを誰にも相談できないことが不安を大きくしました。
従業員も自分たちの仕事や役割についてはわかるけれども、経営全体を把握しているわけでは無い上に、明確な経営計画もありません。
親戚や家族にも相談したり、不安を口にしたりすることができず、本当に暗闇の中を歩いているような感覚でした。
財務との出会い、「経営計画」の大切さは言われてみれば当たり前のことだった
田中:かなりのプレッシャーを受けながら、経営者人生をスタートしたのですね。
その後、現在の「経営計画に基づく経営」はどこから取り入れ始めたのでしょうか?
田畑:経営初心者であった当時、私の奥さんが「どんぶり勘定からの脱却」というセミナーのチラシを持ってきてくれたのがきっかけでした。
田中:私が独立前に勤めていた会社(MAP経営)が企画していたセミナーですね。
田畑:赤字続きの経営者が利益を出せるようになった理由は、計画を立てて、振り返り、実行するサイクルを繰り返したからだとセミナー内で聞ききまして。
「家を建てるのに図面は必要なのだから、会社にも図面が必要だ」と講師の方はおっしゃっていて、その言葉が当時の私に響きました。
翌日にセミナーを開催した会社に私から連絡したことがきっかけで、経営計画に基づいた経営を始めることになります。
田中:弊社でも経営計画を地図に例えて、お客様にお伝えすることもあります。
企業の目標達成というゴールに向けて、現地点である今の経営状況を決算書で確認したり、どんな戦略で目標地点に向かうかルートを考えたり。
経営計画は目標にいたる道中のコンパスの役割を果たしてくれます。
実際に経営計画を作り始めてみて、感じた効果はいかがでしたでしょうか?
田畑:やはり毎月の経営状況がどうなっているのか把握しやすくなったことが一番ですね。
状況把握ができるようになると、経営の整えるべき点や課題も見えてくるようになります。
田中:経営計画の作成を通して、会計の土台も整えていくことができたわけですね。
田畑:さらに、経営計画を作ったことで金融機関と交渉しやすくなった点も良かったです。
事業を引き継いだ初めの頃は「お金が足りない、来月足りないから貸して」と資金不足になったタイミングでの交渉だったので、毎回焦りながらお話ししなければいけない状況でした。
あの頃は計画も何もない状態で金融機関に交渉しに行っていたので「適当に経営しているんだな」とみられてしまっていたとも思います。
お金を返す日が近づくたびにドキドキして精神的にもしんどかったですね。
経営計画を作成してからは、資金不足が発生する時期もわかり、返済計画も立てられることで複数の金融機関と話を進めることができるようになりました。
さらに、計画を見せることで担当者の方から融資の条件を考えてくれるようになったことも大きな変化ですね。
金融機関に余裕を持って交渉ができるようになってからは返済のストレスが減りました。
田中:やはり、金融機関側としても返済計画や資金繰りを管理している会社さんの方が安心して付き合えるというのはあるでしょうね。
経営計画の有無によって、交渉のしやすさは断然違うと思います。
社員を巻き込んでの経営計画づくりへ。ティー・エー・リンクの経営コンサルティングの安心感
田中:経営計画に基づく経営をスタートさせてから、もう20年近くになられますが、初期のころと比べて、経営計画の運用について変化はありますか?
田畑:今は社員を巻き込んでの経営計画づくりと発展してきていますね。
経営の数値がわかるようになってきてからは、私だけでなく専務や経理担当者にも経営計画づくりに加わってもらいはじめました。
今では社員全員に経営計画の会議に参加してもらっています。
田中:社員も含めての計画づくりとなると、やはり会社の方針の共有度合いも深まったのでは無いでしょうか。
田畑:やはり全員が経営者目線で数字や事業に対して向き合ってくれるようになったことが大きな変化でしたね。
現場の問題点だけでなく経営の課題も話し合う機会があることは、従業員にとっても新鮮に感じるかもしれません。売上や利益をいくら出せるのか、経費の使い道は良いのかについても、社員含めて考えるようになりました。
例えば社員旅行の予算について、社員側から「今年の決算で利益が出てないから旅行に行ったらダメじゃ無いのか?」と指摘が出たり、私が「組織のコミュニケーションの投資としては必要だよ」と経営者として答えたり。
会社全体でそんなやりとりが出来るようになりました。
加えて、現場の仕事と経営に繋がりが見えるようになったことも、経営計画をみんなで話し合う機会ができて良かった点だと思います。
田中:赤字の頃から考えると、会計面だけでなく組織面も含めて土台作りが進められているように思えますね。
田畑:振り返っても、会社全体で経営計画を共有できるまでになったのは、ティー・エー・リンクのサポートがあるからだと思います。
田中さんとはかれこれ15年の長い付き合いになりますが、田中さんとの毎月の打ち合わせで勇気づけられて経営が続けられてきたことも事実です。
赤字が続く状況では心持ちが暗くなりがちですが、田中さんの安心感のある話し方と人柄で、経営にも前向きに向き合えるようになりました。
田中:それは嬉しいお言葉です。やはり最終的な意思決定は経営者が行うので、お話をお伺いしながら社長本人の悩みや想いに寄り添ったアドバイスや情報提供を心がけています。
田畑:単年度計画立案時のテーマの選定や会議でのファシリテーションも大変助かっています。
田中さんは全体で話し合うべきテーマの選定が上手なので、みんなで経営を深く考える良い時間になっているのではないかなと思います。
経営計画を活用してさらに事業を大きく。建設業こそ経営計画を取り入れてほしい。
田中:まさに経営計画の理想的な活用ができていて、ご支援している身としても大変嬉しいです。
今後の経営の展望についても教えてください。
田畑:今後は組織規模も売り上げも倍以上の成長を目指していきたいです。
これまで20年間経営してきて、緩やかな上り坂を歩み、着実に利益を積み上げてきました。
しかし、今後はもっと成長角度を大きくしたいと考えています。
昨年は5年後に規模を大きくすることを目標に、社員含めてみんなで中期経営計画を立てました。
ティー・エー・リンクのお力添えもいただきつつ、経営計画を活用しながら目標達成のために頑張りたいです。
田中:ありがとうございます。目標達成のために是非一緒に頑張っていきましょう。
田畑:経営計画作りの効果を感じているからこそ、目の前のことで手一杯になりがちな創業期の企業や建設業界の中小企業には経営計画を立てる習慣をぜひ取り入れてほしいですね。
特に建設業界では経営者の高齢化が事業継続の課題にもなっています。
突然事業を引き継いだ経験をしたからこそ、経営者は会社のビジョンや方針を明らかにしていたほうがいいと思っています。
例えば、社長が75歳以上であれば、健康面上いつまで経営ができるかわかりませんよね。
廃業の選択肢をとるのか、誰かに引き継ぐ決断をするにしても、やはり準備は必要です。
5年後の会社の姿が曖昧なまま、なんとなくの経営で進んでしまうと、いざというときに周囲も困ってしまいます。
会社の将来についてきちんと考える機会を設ける意味でも、経営計画に基づいた経営をお勧めしたいですね。
田中:経営計画を作るだけでも安定した経営に近づく第一歩と言えるでしょう。
弊社としても、業界問わず経営計画の活用サポートを広げていきたいと思います。
本日はお忙しい中、お話をありがとうございました。