この3つを押さえればOK！キャッシュフロー計算書の理想形とは？

経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。

弊社は、決算書や毎月の試算表を見るのが苦手な経営者に対して、決算書や試算表の見るべきポイントを分かりやすく解説することを得意としております。

いま起こっている財務・会計上の課題を的確に抽出するとともに、経営者が描く「将来の目標」「未来のありたい姿」から逆算しながら経営計画を一緒に作成するサポートを行っております。

今回は、キャッシュフロー計算書の見方について説明します。

キャッシュフロー計算書とは、会社のお金が増えた要因・減った要因を把握することが出来る帳票です。

この帳票を正しく見ることで自社の財務状況を正確に把握することが出来ます。

このブログを通して、今後の会社経営に活かしていただければ幸いです。

キャッシュフロー計算書について

キャッシュフロー計算書は、企業のお金の流れを明確に示す財務諸表の一つで、大きく3つの区分に分かれています。

それぞれの資金の増減を整理することで、会社の資金状況を把握することができます。

1. 営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローは、本業の営業活動によって生じたお金の流れを示します。

具体的には、売上の入金や仕入・経費の支払いなど、日々の業務を通じたキャッシュの動きを表します。

この数値がプラスであれば、本業でしっかり利益を生み出せている状態といえ、企業の収益力を測る大事な指標となります。

2. 投資キャッシュフロー

投資キャッシュフローは、企業の投資活動に関するお金の動きを示します。

3. 財務キャッシュフロー

財務キャッシュフローは、資金調達や返済の動きを示します。

具体的には、銀行からの借入や返済などが該当します。

この数値の動きを確認することで、企業の財務戦略や資金繰りの状況を把握できます。

理想的なキャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書において、理想的な状態とは以下のような形です。

営業キャッシュフローはプラス

投資キャッシュフローはマイナス

財務キャッシュフローはマイナス

この3つの要素がそろっている状態が、財務的に健全な企業の姿といえます。

1. 営業キャッシュフロー

営業キャッシュフローはプラスであることが理想です。

これは、企業の本業で得た収益が支出を上回っていることを意味します。

営業キャッシュフローは「売上の入金から仕入や経費の支払いを差し引いた金額」です。

これがマイナスである場合、支出が収益を上回っている状態であり、経営の継続に支障をきたす可能性があります。

そのため、安定的にプラスを維持することが重要です。

2. 投資キャッシュフロー

投資キャッシュフローは、理想的にはマイナスであることが望ましいとされています。

これは、企業が成長のために積極的に投資を行っていることを示します。

投資キャッシュフローがプラスである場合、企業が保有する資産を売却し現金化したことを意味します。

例えば、設備投資を行ったものを売却した場合や、固定性預金を解約した場合などが該当します。

一方、新規設備投資や事業拡大のために資金を活用している場合は、投資キャッシュフローがマイナスとなるため、これは健全な企業運営の証といえます。

3. 財務キャッシュフロー

財務キャッシュフローは、理想的にはマイナスであることが望ましいとされています。

これは、企業が借入金の返済を進め、健全な資金運営を行っていることを示します。

財務キャッシュフローがプラスである場合、企業が新たに借入を行ったことを意味します。

借入自体が悪いわけではありませんが、理想的には既存の資金で事業を運営できることが望ましいため、財務キャッシュフローはマイナスであることが望ましいのです。

ただし、大型の設備投資を行う際には金融機関からの借入が必要になるケースもあります。

この場合は、資金調達を適切に行いながら事業成長を図ることが重要です。

繰り返しになりますが、キャッシュフロー計算書において、

・営業キャッシュフローはプラス

・投資キャッシュフローはマイナス

・財務キャッシュフローはマイナス

この形が理想的であり、さらに現金預金が増加している状態であれば、より健全な財務状態といえます。

ぜひ、自社のキャッシュフロー計算書を確認し、この理想形と比較してみてください。

キャッシュフロー計算書の出し方

キャッシュフロー計算書は、決算書には通常添付されていません。

しかし、会計ソフトを導入している場合は、その機能を利用して作成することが可能です。

もし会計ソフトを導入していない場合は、会計事務所に依頼することでキャッシュフロー計算書を作成してもらうことができます。

会計ソフトをお持ちでない方は、一度会計事務所に相談してみると良いでしょう。

キャッシュフロー計算書は、企業の資金の流れを明確にする重要な帳票です。

この書類を確認することで、どのような要因で資金が増減しているのかを把握できます。

最低でも年に1回はキャッシュフロー計算書を確認し、今回ご紹介した理想的な形になっているかどうかをチェックすることをおすすめします。

今回のブログでは、キャッシュフロー計算書の見方と、その活用方法について解説しました。

理想的なキャッシュフローの形として、

営業キャッシュフローはプラス、

投資キャッシュフローはマイナス、

財務キャッシュフローはマイナスであることが望ましいと説明しました。

決算を迎えた企業は、会計事務所に依頼するか、自社の会計ソフトを活用してキャッシュフロー計算書を確認し、自社の資金の流れを把握することをおすすめします。

キャッシュフロー計算書を正しく理解し、自社の資金の流れを把握することは、経営の安定化や成長戦略を考える上で不可欠です。

特に、営業キャッシュフローのプラス維持や、適切な投資・財務戦略の実践が、企業の財務健全性を左右する重要なポイントとなります。

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