経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。
弊社は、決算書や毎月の試算表を見るのが苦手な経営者に対して、決算書や試算表の見るべきポイントを分かりやすく解説することを得意としております。
いま起こっている財務・会計上の課題を的確に抽出するとともに、経営者が描く「将来の目標」「未来のありたい姿」から逆算しながら経営計画を一緒に作成するサポートを行っております。
本日は、財務指標の交叉比率について説明します。
この指標は、在庫と利益の関係を分析するためのツールとして、特にストックビジネスをされている経営者にとって非常に有益です。
どの商品が最も利益に貢献しているのか、逆にどの商品が足を引っ張っているのかを計算式を用いて説明しますので、お役立ていただけます。
目次
交叉比率とは
交叉比率をどう経営に役立てるか
交叉比率推移の確認方法:マトリクス
本コラムは動画でも解説中!ぜひご覧ください。
交叉比率とは
交叉比率は、以下の計算式で交叉比率を算出できます。
この計算式は、分解するとこのような形になります。
売上が相殺され、最初にご紹介した売上総利益÷棚卸資産の計算式になります。
交叉比率をどう経営に役立てるか
お手元に決算書をご準備いただくことで、売上総利益と棚卸資産を確認することができます。
その際、決算書を3年分~5年分ご用意いただくと良いと思います。
過去5年間の売上総利益と棚卸資産がわかると、5年間の交叉比率の推移を確認することができます。
交叉比率推移の確認方法: マトリクス
交叉比率の推移は、マトリクスで確認できます。
縦軸が粗利率、横軸が在庫の回転率です。
この図に当てはめると、
右上は、粗利率・回転率共に高いため、貢献度合いが一番高いことが分かります。
その次に良いものは、「粗利率が高いけれど回転率が低い」左上と「回転率は高いけれど粗利率が低い」右下になります。
最後に、この図の中で一番貢献度合いが低い箇所は、左下となり、粗利率が低く、在庫の回転率も低くなります。
この5年間の決算書を提出いただき、どのように推移しているのかを項目ごとに点で当てはめていただくと、5年間の交叉比率の変化を把握することができるでしょう。
損益計算書/貸借対照表をご用意いただければ、売上総利益、棚卸資産、そして売上高を理解できますので、これらを冒頭の計算式に適用すると、どの部分に属するかが明確になります。
さらにオススメなのは、商品分類別に計算し、推移を確認することです。
可能であれば1商品ごとに詳細に検討いただくとよいでしょう。粗利率や在庫の回転期間が在庫によって異なる可能性があります。
商品分類が多い場合は、カテゴリー別での確認が適しているかもしれません。粗利率や在庫の回転率を示し、3年から5年での推移を確認していただければと思います。
また、直近のデータだけでなく、A商品やB商品がどの位置にあるのかを確認することで、各商品が企業に対してどれだけの貢献をしているか、貢献度が低下していないかを把握できるでしょう。
今回は交叉比率をご紹介しました。
皆さまの経営状況を理解し、会社の健全性が確保できているかを確認できる経営指標です。
決算書や交叉比率の推移を把握することで、経営目標の達成への道筋が見えてきます。
今回の内容や決算書の見方など、わからないことやお困りごとがあれば、お気軽にご連絡ください。
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