経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。
弊社は、決算書や毎月の試算表を見るのが苦手な経営者に対して、決算書や試算表の見るべきポイントを分かりやすく解説することを得意としております。
いま起こっている財務・会計上の課題を的確に抽出するとともに、経営者が描く「将来の目標」「未来のありたい姿」から逆算しながら経営計画を一緒に作成するサポートを行っております。
本日は、ギアリング比率について説明します。
ギアリング比率は、金融機関が会社の格付けをする際にも使う経営指標
金融機関から借入をすることのある経営者の皆様は、「金融機関は会社のどこを見て格付けをしているのか」気になっている方もいらっしゃると思います。
今回のブログでは、
・自社のギアリング比率の計算方法
・全業種平均値との比較
・ギアリング比率の改善方法
これら自社の財務状況の分析に役立つ経営指標の扱い方を知ることが出来ます。
目次
本コラムは動画でも解説中!ぜひご覧ください。
ギアリング比率とは
ギアリング比率とは、自己資本と他人資本(負債)の割合を測定する経営指標です。
この比率は、企業の中長期的な財務の安全性を確認する際に使用されます。
金融機関が企業の財務の格付け、特に安全性の評価を行う際に、このギアリング比率を重要な指標の一つとして用いることがあります。
具体的には、企業が長期的に安定して事業を運営できるかどうかを確認するために活用されるのです。
計算方法
続いて、ギアリング比率の計算式についてご紹介します。
以下が計算式になります。
ギアリング比率 = 他人資本(負債) ÷ 自己資本
計算結果は、比率が低ければ低いほど、企業の中長期的な財務安全性が高いと評価されます。
つまり、負債に対して自己資本や純資産が多いほど、企業の支払能力が高いと見なされます。
一般的に、全業種の平均ギアリング比率は80%とされています。
したがって、貸借対照表を使い、前期や前々期など複数期にわたってギアリング比率の推移を確認してみると良いでしょう。
単一の期間だけでなく、複数の期を比較することで、より正確な経営状況の把握が可能となります。
計算自体は非常にシンプルですので、電卓を使ってぜひお試しください。
ギアリング比率を改善方法
ギアリング比率を改善するためのポイントは2つあります。
1つ目は、負債を減らすことです。
先ほどの計算式でもご説明した通り、ギアリング比率は「負債 ÷ 自己資本」で算出されるため、負債を減らすことが一つの手段となります。
具体的には、借入金や未払いの買掛金の支払いターンを短くすることで、負債を減少させることが可能です。
ただし、ここで注意が必要です。負債を減らすということは、企業のキャッシュも同時に減少させることを意味します。
したがって、単に負債を減らすことでギアリング比率が改善されても、企業のキャッシュフローに悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重に判断する必要があります。
2つ目は、自己資本を増やすことです。
自己資本を増やす方法としては、資本金を増加させることが挙げられますが、経営者自身の個人財産を投入することが求められる場合もあり、現実的には難しいことが多いです。
そのため、最も現実的で効果的な方法は、企業が着実に利益を上げ、利益剰余金を積み上げることです。
これにより、自己資本を増強し、結果としてギアリング比率を改善することができます。
金融機関は、こうした指標を注視していますので、まずは利益をしっかりと確保しつつ、ギアリング比率の改善に取り組んでいただければと思います。
今回はギアリング比率という経営指標についてご紹介させていただきました。
金融機関から借入をしている企業は多いかと思いますが、ぜひ金融機関が御社をどのように評価しているかを確認するためにも、格付け評価を顧問税理士などに依頼することをお勧めします。
その際、このギアリング比率も評価の一部として含まれます。
決算書を手元にご用意いただき、ご自身でもギアリング比率を計算してみてください。
金融機関がどのように自社を見ているか、しっかりと把握することが、今後の経営戦略にも役立つはずです。
ティー・エー・リンクでは、経営計画の立案から進捗管理まで、経営者の皆様と共に経営目標の達成をサポートいたします。
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