経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。
弊社は、決算書や毎月の試算表を見るのが苦手な経営者に対して、決算書や試算表の見るべきポイントを分かりやすく解説することを得意としております。
いま起こっている財務・会計上の課題を的確に抽出するとともに、経営者が描く「将来の目標」「未来のありたい姿」から逆算しながら経営計画を一緒に作成するサポートを行っております。
今回は、インタレストカバレッジレシオについて説明します。
金融機関が会社の格付けを行う際に使用する経営指標がインタレストカバレッジレシオです。
本ブログでは、計算方法、改善方法、理想的な数値についてご紹介していきます。
借入をしている経営者の方、金融機関から会社の財務がどう見られているのか気になっている方に必見の内容となっています。
皆さまのより良い経営への一助となれば幸いです。
目次
インタレストカバレッジレシオとは
計算方法
数値の改善方法
理想的な数値
本コラムは動画でも解説中!ぜひご覧ください。
インタレストカバレッジレシオとは
インタレスト・カバレッジ・レシオとは、一言で言えば「借入金の利息をどの程度余裕を持って支払えるか」を示す経営指標です。
計算結果は「〇倍」と表します。
この倍率が高いほど、利息返済に余裕があることを意味します。
逆に倍率が低いほど、返済余力が小さいと判断されます。
すなわち、財務の安全性がどの程度確保されているかを測るための重要な指標となっているのです。
計算方法
インタレスト・カバレッジ・レシオは、次の式で計算されます。
営業利益 ÷ 支払利息
決算書の損益計算書をご覧いただくと、営業利益の項目が記載されています。
借入金がある場合には、支払利息も記載されていますので、それらを用いて計算が可能です。
営業利益を支払利息で割ることで、倍率(何倍か)が算出されます。
営業利益が支払利息を上回っていれば、当然1倍以上となります。
この倍率が高ければ高いほど、財務の安全性は高いと評価されます。
一方で、営業利益よりも支払利息の方が大きい場合は、1倍を下回る結果となり、財務の安全性が十分ではないと見られてしまう点に注意が必要です。
数値の改善方法
インタレスト・カバレッジ・レシオを改善し、倍率を高めるためにはどうすればよいでしょうか。
計算式は分数ですので、方法は大きく以下の2つに分けられます。
- 営業利益を増やす
- 支払利息を減らす
まず、支払利息を減らすことは簡単ではありません。
金融機関に交渉して、より低い金利の借入に借り換えるなどの対応が必要となります。
そのため、自助努力で取り組めるのは、営業利益を増やすことが中心となります。
営業利益を増やす方法にはいくつかあります。
まず、売上の増加です。
売上を増やすには、
・商品やサービスの単価を上げる
・販売数量を増やす
といった手段で対策できます。
また、コスト削減も有効です。
原価の引き下げや固定費の削減に取り組むことで、営業利益の増加につなげることができます。
繰り返しになりますが、営業利益を増やす、あるいは支払利息を減らす。
このいずれかの取り組みを行うことで、インタレスト・カバレッジ・レシオを改善することができます。
理想的な数値
インタレストカバレッジレシオの理想的な数値は、最低でも「1倍」を確保することが求められます。
つまり、営業利益が支払利息を上回っている状態が、企業が維持すべき最低限の基準です。
また、一般的には「2倍」が適正値とされています。
支払利息の2倍に相当する営業利益を確保しているかどうかが、健全性を判断する目安となります。
さらに「5倍」が理想値とされており、10倍以上ある場合は非常に安定した財務基盤を持つ企業と評価されます。
経営者の皆様には、ぜひ自社の決算書を用いてこの指標を計算し、最低限をクリアしているのか、適正範囲にあるのか、それとも理想的な状態にあるのかを確認いただきたいと思います。
今回は、財務の安全性を確認する指標である「インタレストカバレッジレシオ」についてご紹介しました。
金融機関から借入を行っている企業にとって、金融機関が自社をどのように評価しているのかは気になるところです。
その際に参考とされるのが、この指標です。
計算方法は非常にシンプルで、営業利益を支払利息で割るだけで求めることができます。
ぜひ一度ご自身の決算書で数値を算出し、最低限をクリアしているか、適正値にあるか、あるいは理想的な水準に達しているかをご確認ください。
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