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支払手形の落とし穴!気づかず倒産に向かう会社の共通点

経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。

弊社は、決算書や毎月の試算表を見るのが苦手な経営者に対して、決算書や試算表の見るべきポイントを分かりやすく解説することを得意としております。

いま起こっている財務・会計上の課題を的確に抽出するとともに、経営者が描く「将来の目標」「未来のありたい姿」から逆算しながら経営計画を一緒に作成するサポートを行っております。

今回は、会社の資金繰りが悪化する原因の一つである支払手形の扱い方についてご紹介します。

支払手形の管理方法次第では、会社の資金繰りが悪化し倒産につながってしまう可能性もあります。

支払手形の性質をしっかり理解し、自社の財務状況を管理することで、安全な経営へつなげていくことができます。

このブログが皆さまの経営の一助となりましたら幸いです。

 

目次

本コラムは動画でも解説中!ぜひご覧ください。

倒産する会社が増えているのか

最近のニュースをご覧になっている方は、「〇〇社が倒産した」「事業を停止した」といった報道をよく目にされているのではないでしょうか。

大手企業では、日産が工場を閉鎖するといったニュースも話題になりました。

また、負債総額がかなり大きな金額にのぼり、事業停止や倒産、破産宣告を経て会社を清算するに至った事例もあります。

これら以外にも、近年は同様の理由で事業を停止したり、倒産に至ったりする企業が増えている印象を受けます。

では、なぜ会社は倒産してしまうのでしょうか。

その理由を一言で表すと、「資金繰りが悪化するから」です。

たとえ損益計算上で赤字であっても、資金繰りが確保できていれば事業を継続することは可能です。

しかし、資金繰りが行き詰まれば、黒字であっても倒産に追い込まれてしまいます。

つまり、「資金繰りの悪化」こそが、企業倒産の最大の要因と言えます。

倒産した各社が、実際にどのような要因で倒産に至ったのかは明らかではありませんが、一般的に資金繰りが悪化する原因のひとつとして挙げられるのが、本日のテーマである「支払手形」です。

 

支払手形とは

「支払手形」という言葉を初めて聞く方もいらっしゃるかもしれません。

簡単に説明すると、会社が商品やサービスを購入した際、代金を現金で支払うのではなく、「一定の期日に支払うことを約束した証書(手形)」を発行して支払う仕組みです。

このような形で発行される手形を「約束手形」と呼びます。

つまり、「〇月〇日に〇〇円を支払います」という約束を記した書面を発行し、期日までに資金を準備して決済を行うという流れです。

しかし、資金繰りが悪化して期日に支払いができなくなった場合、「不渡り」と呼ばれる状態になります。

不渡りを出すと、企業の信用は一気に失われます。

支払先(お金を受け取る側)は、指定された期日に入金されることを前提に資金計画を立てています。

その入金が滞ると、「この会社は大丈夫だろうか」と信用不安を招くことになります。

また、手形の決済は銀行を通して行われます。

したがって、銀行側からも「この会社は資金繰りに問題があるのでは」と判断され、信用力が低下する可能性があります。

つまり、取引先・銀行の双方に大きな影響を与えるということです。

支払手形の期日は、30日後といった短期のものもありますが、4か月後や6か月後の支払いを約束するケースが一般的です。

そのため、発行から時間が経つと支払期日を忘れてしまい、突然期日が到来して慌てるということも少なくありません。

例えば、「そういえば、あの時発行した約束手形の支払期日が明日だった」と気づいた時には、すでに資金が足りず、支払いに困るケースもあります。

期日までに十分な現金預金を確保できていれば問題ありませんが、そうでない場合、資金繰りの悪化につながるリスクがあります。

そして、期日に支払いができず不渡りとなった場合、さらに重大な影響が生じます。

半年以内に2回不渡りを出すと、銀行取引が停止されることになります。

これは実質的に会社の倒産を意味します。

銀行との取引ができなくなれば、資金の入出金が不可能となり、事業継続は極めて困難になります。

したがって、支払手形の管理は資金繰りにおいて非常に重要であり、発行時点から支払期日までの資金計画をしっかりと立てておくことが不可欠です。

 

資金繰り表で支払手形を確実に管理する

支払手形は、貸借対照表(B/S)に計上される項目です。

まずは自社の貸借対照表を確認し、1年間の推移を見てみてください。

もし支払手形の金額が右肩上がりに増加している場合は、要注意です。

それは、支払いの先延ばしが積み重なっている、あるいは資金繰りに余裕がなくなっている兆候かもしれません。

このような状況にある企業は、必ず資金繰り表を作成することをおすすめします。

支払手形を発行した際には、

「いつ振り出した手形が、どの月に、いくら引き落とされるのか」

という情報を、資金繰り表に明確に記載しておくことが重要です。

そして、その期日に支払うための資金を確実に手元に用意できる状態をつくっておく必要があります。

繰り返しになりますが、支払期日に資金が不足し、決済ができなくなると信用力が大きく低下します。

この信用低下は、取引先だけでなく、金融機関からの評価にも直接影響します。

最近では、支払手形を発行している企業や、その金額が増加している企業も少なくありません。

そうした場合には、半年程度先を見通した資金繰り表を作成し、支払スケジュールを常に把握できる状態にしておくことが重要です。

支払手形の期日は、往々にして「忘れたころにやってくる」ものです。

期日直前で慌てることのないよう、日頃から資金繰りの見える化を徹底しておきましょう。

 

【出典】

今回は「支払手形」をテーマに解説しました。

弊社の取引先の中にも、支払手形を発行しており、残高が右肩上がりに増えている企業があります。

このような場合は、必ず資金繰り表を作成し、資金の動きを可視化しておくことが大切です。

資金繰りに不安がある場合は、早めに金融機関への相談や取引先との支払い条件の見直し(支払い期日の延長・分割対応など)を検討しましょう。

早期アクションを起こすことで、信用低下を未然に防ぐことができます。

特に、支払手形の残高が増加傾向にある企業は、資金繰り表をしっかりと整備することが重要です。

日々の数字を「見える化」することで、経営判断の精度が格段に上がります。

また、弊社YouTubeチャンネル「T-A.Linkチャンネル」では、毎週木曜日に経営や財務に関する情報を配信しています。

決算書の見方、経営計画の立て方、補助金・助成金の最新情報など、中小企業経営者の皆様に役立つ内容をお届けしています。

経営者の皆様の財務力向上に少しでもお役立ていただければ幸いです。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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