経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。
弊社は、決算書や毎月の試算表を見るのが苦手な経営者に対して、決算書や試算表の見るべきポイントを分かりやすく解説することを得意としております。
いま起こっている財務・会計上の課題を的確に抽出するとともに、経営者が描く「将来の目標」「未来のありたい姿」から逆算しながら経営計画を一緒に作成するサポートを行っております。
今回は、経営安全率(安全余裕率)について解説します。
経営安全率(安全余裕率)とは、会社の経営状況の安全度合いを計ることのできる経営指標です。
ぜひお手元に決算書をご用意いただき、一緒に計算しながら読み進めていただければと思います。
目次
本コラムは動画でも解説中!ぜひご覧ください。
経営安全率の解説・計算方法
経営安全率(安全余裕率)とは、文字通り経営がどれだけ安全な状態にあるかを把握するためのものです。
計算は比較的簡単にできますので、可能であればお手元に決算書をご用意いただき、ぜひ自社の数値を確認してみてください。
■ 経営安全率の計算方法
経営安全率は、以下の計算式で算出します。
安全余裕率(経営安全率)=(売上高 − 損益分岐点売上高) ÷ 売上高
なお、損益分岐点売上高は決算書に直接記載されていない場合があります。
その際は、顧問の会計士の先生に算出を依頼するか、ご自身で計算する必要があります。
■ 経営安全率が示す意味
経営安全率は、企業の経営にどれだけ余裕があるかを測る指標です。
数値が高ければ高いほど、赤字になりにくい状態にあると判断できます。
実際の売上高が損益分岐点売上高をどれだけ上回っているかで、経営の余裕度合いを示すのが経営安全率です。
高い数値=良い状態と捉えていただくと分かりやすいかと思います。
数値の改善方法
安全余裕率(経営安全率)を高めるためには、「売上を増やす」、もしくは 「経費を削減して損益分岐点を下げる」のいずれか、または両方の取り組みが必要になります。
まずは取り組みやすい経費の見直しから始めていただくのが良いと考えています。
弊社が関与している企業でも、経費見直しの話になると、「うちは削減できる経費があまりない」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
しかし、実際に内容を確認してみると、細かい支出が積み上がっているケースが少なくありません。
例えば、月に数万円から十数万円の削減につながることもあり、年間に換算すると100万円以上になるケースもあります。
これは決して軽視できない金額です。
■ サブスク・クラウドサービスの見直しは特に効果的
近年は低価格で利用できるクラウドサービスが増えています。
1つあたりは月額数千円〜1万円台と手頃なため、つい気軽に導入しがちです。
しかし、使用状況を確認すると、「導入初期に少し使っただけで、その後ほとんど利用していない」というサービスも少なくありません。
こうした費用を見直すだけでも、経費削減に大きく寄与します。
■ 年に1回は経費見直しを
経費の棚卸しは手間がかかる作業ですが、年に1度は全項目を見直すことをおすすめします。
意外な支出や、不要な契約が見つかることも多く、良い気づきにつながります。
まずは損益分岐点を引き下げるための“ディフェンス”を固め、その上で売上増加のための“オフェンス”施策に取り組む。
この順番が重要です。
特に、黒字の企業であれば、売上向上のための戦略的な投資については、積極的に検討していただいて良いと考えています。
繰り返しになりますが、
- 経費の見直しで損益分岐点を下げる
- 売上を伸ばすための戦略や施策を検討する
この2点を継続的に実行することで、経営安全率を高め、赤字になりにくい体質へ近づけることができます。
経営安全率は、経営の安全度合いを把握するうえで、非常に有効な指標です。
ぜひ、皆様の会社でも計算し、経営の現状を確認してみてください。
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