経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。
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いま起こっている財務・会計上の課題を的確に抽出するとともに、経営者が描く「将来の目標」「未来のありたい姿」から逆算しながら経営計画を一緒に作成するサポートを行っております。
今回は、新商品の価格設定の際に使える分析手法【PSM分析】についてご紹介します。
顧客に対して行うアンケートから見えてくる適正な価格帯を参考に、手に取りやすい価格設定で売り上げアップが期待できます。
新商品や新サービスの価格決めにお悩みの経営者さまはぜひ本日の内容を参考になりますと幸いです。
目次
本コラムは動画でも解説中!ぜひご覧ください。
PMS分析とは
PSMとは、「Price(価格)」「Sensitivity(感度)」「Measurement(測定)」の頭文字を取った略語で、日本語では「価格感度測定法」と訳されます。
PSM分析は、消費者に対して新商品を提示し、「どの程度の価格であれば購入したいと思うか」を尋ねることで、消費者に受け入れられる価格帯を把握するための調査・分析手法です。
この手法により、商品やサービスに対する価格の受容度を定量的に捉え、適正な価格設定のヒントを得ることができます。
具体的な方法をご紹介
続いて、PSM分析を活用した価格設定の具体的な方法をご紹介いたします。
PSM分析では、消費者に対して以下の4つの質問を行います。
1.商品が「高い」と感じ始める価格帯はいくらか
2.商品が「安い」と感じ始める価格帯はいくらか
3.商品が「高すぎて購入をためらう」と感じる価格はいくらか
4.商品が「安すぎて品質に不安を感じる」と思う価格はいくらか
これらの質問を通じて得られたデータをもとに、価格設定を検討していくのがPSM分析の基本的な進め方です。
たとえば、商品Aについてこの調査を実施した結果、次のような価格帯が集計されたとします。
・高いと感じる価格
・安いと感じる価格
・高すぎて購入しないと感じる価格
・安すぎて不安を感じる価格

これらのデータをグラフ化すると、各価格帯の交差点が視覚的に確認できるようになります。

最適価格
まず、注目すべきポイントは「最適価格」です。
これは、「高すぎる」と感じる価格と「安すぎる」と感じる価格の交点であり、消費者にとって理想的とされる価格帯です。
妥協価格
また、もう一つの重要な指標が「妥協価格」です。
これは「高いと感じる価格」と「安いと感じる価格」が交差する点で、価格に対する評価が二分される境目となります。
妥協価格で設定する場合は、購入意欲のある層と離脱する層が混在することもあるため、注意が必要です。
受容価格帯
さらに、グラフ上に示される「上限価格」と「下限価格」の範囲は、消費者に受け入れられる価格帯、いわゆる「受容価格帯」となります。
今回の例では「新しい商品」としていますが、既存商品でもPSM分析を活用することは可能です。
ただし、既存商品に関しては、購入経験のある方に聞いてしまうと「慣れ」によるバイアスがかかる可能性があります。
そのため、既存商品の分析を行う際には「初めて購入した方」にアンケートを実施することをおすすめします。
このように、PSM分析では消費者の価格感度を数値化し、実際にどの価格帯であれば不安なく商品を購入できるかを探ることができます。
新商品を投入する際や、価格の見直しを検討している場合には、非常に有効な手法といえるでしょう。
なお、本ブログで紹介した分析手法のグラフや資料は、総務省統計局が公開している「なるほど統計学園」を参考にしております。
より詳しい情報を知りたい方は、そちらもご覧ください。
【出典】
今回は、価格設定の手法である「PSM分析」についてご紹介いたしました。
繰り返しになりますが、新商品はもちろんのこと、既存商品であっても新たなお客様にご購入いただく際には、アンケートを通じた分析が非常に有効です。
価格に関するお客様の心理を把握することで、より適切な価格帯を見極めることが可能となります。
ぜひ今回の内容を参考に、自社の商品価格の見直しや新商品の販売戦略にご活用いただければと思います。
なお、弊社が運営する「T-A.Linkチャンネル」では、毎週木曜日に経営に役立つ財務情報を中心に、さまざまなテーマで動画を配信しております。
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本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
