経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。
弊社は、決算書や毎月の試算表を見るのが苦手な経営者に対して、決算書や試算表の見るべきポイントを分かりやすく解説することを得意としております。
いま起こっている財務・会計上の課題を的確に抽出するとともに、経営者が描く「将来の目標」「未来のありたい姿」から逆算しながら経営計画を一緒に作成するサポートを行っております。
今回は補助金をテーマに、「補助金を申請して事業がうまくいく人、うまくいかない人の違い」を解説します。
補助金を申請して採択されたとしても、事業がうまくいくとは限りません。
補助金申請を検討中の経営者の方はぜひこのブログをご覧になり、事業をより成長させられる補助金活用の仕方にお役立ていただけると幸いです。
目次
補助金を申請して事業がうまくいく人、うまくいかない人
成功しないケースの分析
補助金申請で事業を成功させるには
本コラムは動画でも解説中!ぜひご覧ください。
補助金を申請して事業がうまくいく人、うまくいかない人
改めまして今回は、補助金の申請によって効果が得られる人と、効果が得られない人の違いについてお伝えします。
最近、弊社へのお問い合わせの中で、次のようなご相談が増えています。
- 「自社にフィットする補助金・助成金を提案してほしい」
- 「うちの会社に合う制度があれば教えてほしい」
定期的に関与させていただいている企業であれば、その企業の現状や今後の方向性を把握しているため、
「それであれば、◯◯の補助金が活用できます」
「この助成金なら効果が見込めます」と、すぐにお答えできます。
しかし、初めてお会いする企業から同じ相談をいただく場合、正直申し上げると非常に難しいのです。
なぜなら、
- まず現状の把握から始める必要がある
- 今後どのような事業を展開したいのかを明確に伺う必要がある
- そのうえで、どの補助金・助成金が目的にフィットするかを検討する流れになる
ためです。
したがって、
「うちに合う補助金を教えてほしい」という入り口では、正確な提案が困難となります。
一方で、設備投資の目的が明確な企業は補助金の効果を最大限に得られています。
例えば、
- 「この機械を導入し、◯◯の生産性を高めたい」
- 「新事業を行うために、この建物を新設したい」
といったように、設備投資の目的と、その投資によって得られる効果が明確な状態で相談に来られる企業は成功確率が非常に高いです。
実際、この3〜4年でサポートした企業の多くが、目的がはっきりした投資計画に基づく補助金申請で成果を出しています。
逆に、
- 「自社に合う補助金はありませんか?」
という入り口で相談をいただき、そのまま申請したケースでは、採択された企業もいますが、事業として成功していないケースが大半です。
補助金を使っても思うような成果が出ない、投資の目的が曖昧で計画が続かない状況に陥りがちです。
成功しないケースの分析
これは、弊社および私の分析になりますが、補助金や助成金の申請が上手くいかない企業には、いくつか共通点があります。
最も多いのは、資金調達自体が目的になってしまっているケースです。
本来であれば、「どのような施策を実行し、どのような効果を得たいのか」という目的が明確である必要があります。
しかし、「ただお金が欲しい」という理由や、「他社が申請していて良いと聞いたから」という、いわばブームに乗るような動機だけで申し込むケースも見られます。
こうした企業は、総じて成功しません。
なぜなら、目的が無い状態では、判断基準が目先のことに偏り、動機として不十分だからです。
その結果、申請プロセスも投資判断も曖昧になり、採択されにくくなります。
したがって、目的が明確でないのであれば、補助金・助成金の申請は行わない方が良いと考えています。
そのため、弊社では、「自社に合う補助金や助成金がないか教えてほしい」というご相談に対して、一通りご説明はしますが、
明確に「目的が明確でないのであれば、補助金・助成金は活用しない方が良いですよ」
とお伝えしています。
補助金は、たとえ最大で2/3や3/4が支給される制度であっても、残りの1/3や1/4は自社で負担する必要があります。
無目的な設備投資を行えば、当然ながら資金繰りは悪化します。
本来、資金に余裕があるのであれば、
従業員への還元や内部留保の確保といった健全な経営判断に充てるべきです。
「お金が余っているから」「資金調達がしたいから」「ブームだから」という動機で補助金を申請するのは、得策とは言えません。
したがって、「何を実現したいのか」「自社をどうしたいのか」、この目的をしっかりと持ったうえで、補助金・助成金の活用を検討するようにしましょう。
補助金申請で事業を成功させるには
補助金や助成金の申請で成果を上げている企業には、明確な共通点があります。
繰り返しになりますが、成功している企業は例外なく「明確な目的」を持っています。
たとえば、
「どのような効果を得たいのか」
「補助金を活用して事業をどう成長させたいのか」
といった点が具体的に整理されており、そこに一貫性があります。
このように目的がはっきりしている企業は、
補助事業によって利益を生み出し、結果として事業成長につなげています。
したがって、今後補助金・助成金の活用を検討している方は、ぜひ 目的を明確にすることの重要性 を意識していただければと思います。
今回は、補助金・助成金を申請する際に、成功する企業と失敗する企業の違い についてご紹介しました。
私も申請サポートを担当する以上、関わらせていただいた企業にはぜひ採択されてほしいと考えています。
そして、採択されるだけでなく、補助金を活用して事業を力強く伸ばしていただきたい——その思いで、弊社は日々サポートに取り組んでいます。
補助金や助成金を活かすためには、やはり 「目的が明確であること」 が欠かせません。
「どのような効果を得たいのか」「なぜその設備投資や取り組みが必要なのか」——こうした点を明確にした上で申請に臨んでいただくことが、成功のための重要な第一歩です。
目的が整理されている企業とお話ししていると、私自身も非常にわくわくします。
その対話の中から、「こういう取り組みをしてみてはどうか」 といったご提案が生まれることも多く、建設的な議論が弾みます。
ぜひ弊社にご相談いただく際も、そのようなやり取りを通じて、補助金申請のサポートを進められればと考えています。
また、弊社が運営する T-A.Linkチャンネル では、毎週木曜日に経営や財務に関する情報を配信しています。
決算書の見方、経営計画の立て方、最新の補助金・助成金情報など、経営者の皆様にお役立ていただける内容をお届けしています。
ぜひご覧いただき、日々の経営判断にお役立ていただければ幸いです。
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今回の内容は以上となります。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

