経営計画の作成と進捗管理支援、補助金や助成金の申請サポートを通じて経営者の財務のお困りごとを解決するコンサルティング会社、株式会社ティー・エー・リンクです。
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本日は、EC通販の経営指標について説明します。
新型コロナウイルスの流行でEC通販を利用して商品を販売し始めた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、EC通販サイトを運用する事業者必見の経営指標を解説致します。
EC通販サイトを運用する上で、目標としたい利益率、またそのためにかけられる販売促進費の目安などを詳しくご紹介します。
既にEC通販サイトを運用している方だけでなく、これからEC通販サイトを開設・運用していきたいとお考えの皆様にも参考となる内容です。
目次
EC通販の利益率
経営指標:3・3・2・2の法則
経営指標:1・5・2・2の法則
EC通販の販売促進費
本コラムは動画でも解説中!ぜひご覧ください。
EC通販の利益率
まず、EC通販の経営指標を確認するために、目標とすべき営業利益率についてご紹介します。
ECサイトを運用して販売を行う場合、EC通販の営業利益率は売上に対して20%が目安とされています。
例えば、ECサイトを使って売上が1,000万円だった場合、1,000万円×20%で200万円が目標とすべき営業利益額となります。
皆様の会社でも、決算書や管理している帳簿を確認して頂き、売上に対して営業利益率が20%になっているかをご確認いただけると良いと思います。
経営指標:3・3・2・2の法則
続いてEC通販の経営指標についてご紹介します。
皆さんは「3・3・2・2の法則」ないし「1・5・2・2の法則」という経営指標をお聞きになったことはありますか。
「3・3・2・2の法則」とは、原価率、販売促進費、それ以外の経費、利益の割合について示したものです。
この法則は、売上に対して、売上原価が30%、販売促進費が30%、その他の経費が20%、営業利益が20%を示します。
例えば、売上が1,000万円の場合、原価率が30%ですので、売上原価が300万円となり、売上総利益は700万円となります。
そこから販売促進費として広告宣伝やSNS広告などに30%として300万円をかけることができます。
そして、その他の経費が20%分の200万円かかり、営業利益として200万円が残ります。
このような仕組みになっています。
経営指標:1・5・2・2の法則
続いて「1・5・2・2の法則」についてご説明します。
これも原価、販売促進費、その他経費、営業利益の割合を示したものです。
「1・5・2・2の法則」では、売上原価が10%、販売促進が50%、その他経費が20%、営業利益が20%とされています。
例えば、売上が1,000万円の場合、商品原価は100万円となり、売上総利益は900万円となります。
販売促進費は50%ですので、500万円をかけることができます。
その他経費と営業利益はそれぞれ20%のため、各200万円の割合になります。
そして、これらの法則は商品の特性によって使い分けることが出来ます。
商品原価率が高い商品を販売している場合と、そこまで高くない商品を販売している場合では、「3・3・2・2の法則」が適用されるのか、「1・5・2・2の法則」が適用されるのかが異なります。
EC通販の販売促進費
これらの法則をしっかり理解しておくことで、ECサイトの運用において販売促進や広告宣伝が欠かせないことがわかります。
どれだけ多くの方に情報を届けられるか、その情報からクリックしてもらい販売につなげるかが重要です。
そのため、販売促進や広告宣伝が非常に大事になります。
ただし、無尽蔵に広告宣伝費をかけても効果は期待できません。
商品原価率が高い事業の場合や原価率30%前後の商品を販売している場合、広告宣伝費にかけられる割合は30%です。
原価率が10%位と低い場合、広告宣伝費に50%までかけることができます。
この点を理解しながら、広告宣伝戦略を考え、実行に移すことが重要です。
今回はEC通販の経営指標についてご紹介させていただきました。
冒頭申し上げた通り、新型コロナウイルスの影響でEC通販を始めた事業者の方も多いかと思います。
人手をかけずに販売する事が出来ることが非常に魅力的な事業です。
その中でも、広告宣伝・販売促進が要です。
かけられる広告宣伝・販売促進は先ほどの「3・3・2・2の法則」「1・5・2・2の法則」をご紹介した中でもお伝えした通り限りがあります。
この辺りをしっかり見極めながら、利益出せる事業を運営していただけると良いと思います。
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