皆様、こんにちは。
中小企業の輝く未来を支援するナビゲーター、株式会社ティー・エー・リンクの田中です。
今回は金融機関が決算書を見るときのポイントについてお伝えします。
もしかしたら、みなさまの中にも「金融機関さんに融資をお願いしたいな」と思っている方がいらっしゃるかもしれません。
その際に、金融機関さんから決算書を求められますよね。
決算書を求められた時に金、融機関の担当者がみなさまの会社の決算書のどの部分を注力して見ているのか気になりませんか?
この会社に融資しても大丈夫なのか、そうじゃないのかというのを
金融機関がどうやって判断しているのかをお伝えします。
金融機関が決算書を見る時のポイントは9つあります。
今回はポイントの解説が多いため、前編・後編に分けてお送りいたします。
目次
POINT1 売上と利益の推移に着目
POINT2 減価償却費が計上されているかどうか
PONT3 現金預金の残高がどのくらいあるか
POINT4 売掛金の残高状況がどうなっているか
POINT5 在庫の残高状況を確認
![経営計画 補助金申請 代行](/wp-content/uploads/2022/04/9636dcf4b51bb61bba7d0dae9d19fb7a-1024x576.jpg)
【1】売上と利益の推移に着目【金融機関は決算書のここをチェック】
![金融機関は決算書のここをチェック](/wp-content/uploads/2023/01/7fb8f1c748d490339c64aa37f2515920-1024x576.jpg)
「売上と利益の推移」を金融機関さんは見ています。
決算書を提出する際、おそらく直近の決算書だけではなく、3期分や4期分も求められるケースがあるのではないでしょうか。
なぜ、3期分も4期分も決算書を求めてくるのかというと「売上と利益の推移」ですね。
まさにここになるわけです。
売上と利益の推移が3年4年にわたってどのように推移しているのか、
減っているのか増えているのか。
売上だけではなくて、粗利・売上総利益・営業利益・経常利益
こういった利益の観点からも増えてるのかそれとも減っているのか
ということをチェックしたりしているわけです。
急に下がったとか、急に増えたという場合は
「どうしてそういうことが起こったのか」を
金融機関と経営者との面談の際に聞かれるのではないかと思います。
なので原因をもし問われたら経営者のみなさんがしっかりとお答えいただいて
こういう理由で売上が減っている、こういう理由で利益が増えているといったことを
ご説明いただければ良いと思います。
【2】減価償却費が計上されているかどうか【金融機関は決算書のここをチェック】
![金融機関は決算書のここをチェック 減価償却費](/wp-content/uploads/2023/01/01e20b05948409296d32314122ce234d-1024x576.jpg)
固定資産・償却資産に対してきちんと減価償却費が計上されているかどうか
も金融機関さんが必ず見るポイントです。
もし減価償却費が計上されていなかったり
本来計上すべき減価償却費の金額が計上されていない場合は、
「もしかしたら利益を水増ししてるんじゃないか」などと
金融機関さんは思ってしまうわけです。
ちゃんと計上するべきものが計上されているかどうかをしっかりと確認していますので
減価償却費に関してはきちんと決算書を作成する段階で
会計事務所さんとの打合せをしながらきちんと計上していただければと思います。
【3】現金預金の残高がどのくらいあるか【金融機関は決算書のここをチェック】
![金融機関は決算書のここをチェック 現金預金](/wp-content/uploads/2023/01/deb17bd5bd307fcd49379fd7617489d9-1024x576.jpg)
現金預金についても先程の売上利益の推移と同じように
・現金預金がどのように推移しているのか
・減っているのか増えているのか
を確認しています。
現金預金が減っていると、
「もしかしたら資金繰りが厳しいんじゃないか」と思われてしまうわけです。
逆に多すぎると「何か粉飾してるんじゃないか」とも思われてしまうかもしれません。
「この会社さんはこの年商規模だったらだいたい現預金がこのくらいないといけないよね」
というなんとなくのイメージを金融機関さんは持っているので
売上規模や利益金額を見ながらその水準に近しい残高になっているかを確認されます。
また、決算書を見ればどこの金融機関に預金が預けられているかも分かります。
金融機関は現金預金残高も見ていることを経営者の皆様は確認しましょう。
【4】売掛金の残高状況がどうなっているか【金融機関は決算書のここをチェック】
![金融機関は決算書のここをチェック 売掛金の残高状況](/wp-content/uploads/2023/01/b5d634c30847f11a291ecf8d95ac5150-1024x576.jpg)
売上に対して何ヶ月分の売掛金が残っているのかは電卓で弾けばすぐ計算ができます。
しかし、4ヶ月分も5ヶ月分も売掛金が残っていると
ちょっと売掛金が多すぎやしないかと思われてしまうわけですね。
「もしかしたら回収できていない売掛金があるんじゃないか」とか
思われてしまうわけです。
あとは架空の売掛金を計上していないかとかですね。
架空の売掛金計上があるということは
「売上を架空計上している」ことになりますので
売掛金の残高がその会社さんの年商に見合った残高になっているかどうかを確認されます。
そんなことも経営者のみなさまは知っておいていただくと良いかと思います。
【5】在庫の残高状況を確認【金融機関は決算書のここをチェック】
![金融機関は決算書のここをチェック 在庫 残高状況](/wp-content/uploads/2023/01/1802783db20269aba22a3ea93b92cabe-1024x576.jpg)
続いて5つ目のポイントは「棚卸資産」在庫です。
「在庫の残高状況がどのようになっているか」も金融機関は確認します。
「昨年や前の年と比べて在庫がめちゃくちゃ増えてないか」
「売上原価に対して棚卸し資産がどのぐらいの割合になっているのか」も見られます。
売上原価と棚卸資産のバランスを見た時に、あまりにも棚卸資産の割合が高いとなると
「もしかしたら在庫を持ちすぎじゃないか」や
「もしかしたら持ちすぎの在庫に架空のものもあるんじゃないか」
と見られてしまうわけです。
棚卸資産に関しても、残高を見て電卓で弾かれて見られてますので
みなさまはしっかりと確認をしておいていただけると良いと思います。
以上、金融機関から見られるポイントを解説いたしました。
後編もお楽しみに!