皆様、こんにちは。
中小企業の輝く未来を支援するナビゲーター、株式会社ティー・エー・リンクの田中です。
前回に続き、金融機関が決算書を見るときのポイントについてお伝えします。
前回のブログ記事を読んでいない方はぜひご覧ください↓)
【前編】金融機関から見られる決算書のポイント!まずは経営者はここを注意しよう!
目次
POINT6 買掛金とサイト
POINT7 借入金の状況
POINT8 自己資本・純資産の状況
POINT9 雑勘定は大丈夫?
【6】買掛金とサイト【金融機関がチェックする決算書のポイント】
6つ目のポイントは「買掛金」です。
決算書の買掛金を見て、その会社さんがどういう会社なのかを確認されています。
金融機関さんはその会社さんがどういう取引条件をしているかを把握しています。
もしかしたら経営者さんにヒアリングして把握することもあるかもしれません。
例えば、末締めの翌月末支払いとか、末締めで翌々月の15日に支払いますとか
そんな締め日と支払い期限とのサイト(期間)を確認しているわけですね。
その期間と決算書に書かれている買掛金の残高を見ています。
仕入れとのバランスですね。
電卓で計算するとだいたいこの会社が決算書上は
何日くらいのサイトになっているのかも確認できるので
実際のサイトと決算書上から計算されて出てくるサイトとを比較したときに
大きな開きがないかを確認しているわけです。
もし実際は30日とか45日でやっているのに
決算書で見た時に、60日とか70日という計算結果がでてくる場合は
「資金繰りが厳しいから仕入れ先さんに支払いを止めてもらってるんじゃないか」
を金融機関さんは思ってしまうわけです。
実際は買掛金の残高・支払状況も見られていることを
経営者のみなさんは知っておいたほうがいいかなと思います。
【7】借入金の状況【金融機関がチェックする決算書のポイント】
続いてのポイントは「借入金の状況」です。
どこの金融機関さんから借り入れをしているのか、借入の増減なども
決算書の推移を見れば分かります。
借入金の増減や、いまの利益ベースではあと何年後に借入金の返済が完了できるのか
といった債務償還年数も電卓で計算すれば弾きだせます。
例えばいまの利益ベースで債務償還年数が30年
返済終了までにそれだけの年数がかかってしまうのであれば
うちの金融機関から貸したとしても返ってくる可能性が低そうだな
と見られてしまうわけですね。
なので借入金の状況についても経営者のみなさまは
しっかりチェックしておいていただけると良いかと思います。
【8】自己資本・純資産の状況【金融機関がチェックする決算書のポイント】
続いて8つ目のポイントは「自己資本・純資産」です。
この金額がどうなのか、状況がどうなっているのかも金融機関に確認されます。
「自己資本比率」という言葉をみなさまもお聞きになられたことがあるかもしれません。
自己資本比率とは全ての資産に対してどれだけ純資産の割合があるかをさす比率です。
金融機関は自己資本比率もチェックして、過去からの推移で自己資本比率がどうなっているかも確認されます。
一般的には自己資本比率が高いほうが安定的な経営ができる・安全性の高い経営ができると言われていますので
安定した経営ができているのかを決算書から判断されてしまいます。
【9】雑勘定は大丈夫?【金融機関がチェックする決算書のポイント】
最後の9つ目のポイントは「雑勘定」がないかどうかです。
雑勘定とは仮払金や短期貸付金を指します。
銀行からお金を借りてるのに誰かにお金貸している状況がわかった時に、
「誰かにお金貸しているのだったら
べつにうちの金融機関からお金借りなくてもいいんじゃないか」
と思われてしまうわけですね。
そういう短期貸付金とか仮払金とか雑勘定があると
金融機関さんはあまり良い印象を持ちません。
そのため、雑勘定がないか、仮払金とか短期貸付金がないかを
経営者のみなさんは知っておいていただけると良いかと思います。
以上、金融機関さんが決算書を見るときどんなところをポイントにしているのか
お伝えいたしました。
決算書について会計事務所さんと打合せをして固めている中で
普段の会計の処理の中から買掛金や売掛金の状況も確認をしていただいて
きれいな試算表、きれいな決算書を作ることを心がけると良いと思います。
前述した雑勘定や売掛金が試算表の中に多くなってしまいますと
金融機関はあまりいい思いをしません。
普段の会計処理の中から前編・後編でご紹介した9つのポイントを
頭の中に入れておいていただくと良いかと思います。
財務諸表・決算書・試算表をきれいにすることからはじめて、
金融機関さんと良好な関係を保っていけると
みなさまの会社経営も潤沢に資金を会社でもちながら
事業を飛躍させることができるかと思います。
是非今日お伝えしたポイントを意識してみてください。